看護技術の向上に取り組む医療機関の話題が、たびたびのように取り上げられています。具体的な例としては、先輩看護師たちによる若手への技術指導などを行う機会を定期的に設けて、レベルアップやボトムアップを図っていこうというものです。勉強会や研修会などを行っている医療機関も出てきており、看護技術の継承を図ろうという動きも見られています。
看護師にとって大切なのは、看護技術やスキル、ノウハウを磨き上げるということだけではありません。人の命を預かる現場であるということを、肝に銘じるべきといえるでしょう。そのために必要なのは、現場での仕事を担うものとしての使命感や責任感といえるのではないでしょうか。テクニックやスキルに頼る現場のあり方には、警鐘を鳴らす人も多くいます。型にはまった方法が通用しないのが、現場の難しいところです。
商品やサービスを提供することが仕事ではないため、過去の成功事例が必ずしも成功するとは限りません。患者一人ひとりよって症状や容態は異なり、対処法を考える必要性があるのです。マニュアル通りにいかないのが現場なのです。看護技術の向上に努めることは、とても有意義なことです。日々の厳しい練習が、いざという時に役立つのは現場でも同じです。テクニックやスキルに頼ることなく、目の前に起こった事態に真摯に立ち向かうことでしか命の現場を守り抜くことはできません。一瞬たりとも気の抜けない現場であるため、自分の仕事に適応した看護技術の向上を目指す必要があるのです。